ドイツと日本の労働効率について考える
ドイツと日本との労働効率の相違は、日本に居たときから興味のあるところでした。
ドイツの年間平均労働時間は、約1400時間、
日本の年間平均労働時間は、約1700時間
一方、GDPは略同等、人口は日本が2割程多い、
上記から一人当たりの単位時間GDPを算出すると、
ドイツは日本の約1.5倍になります。
日本に居たときはドイツ人はそんなにも効率良く働くのかと思っていましたが、
結局は、
『人件費単価が日本の二倍・三倍で、価格競争に走らない、残業は評価対象にならない、必要以上のことはしない』
が最大の要因のように思います。
“必要以上のことはしない”に関しては、
欧米代理人の資料が使い回しや判例の貼り付けであり、
相手のニーズに耳を傾けたものを十分に提供する努力ができていないことからしても、
その様子が伺えます。
私はそのあたりから変えたいと思っているので、
どうしても一つ一つの仕事に時間を要しますが、この一年間の結果物を観れば、
やはり、『努力を掛けたもの、情熱を掛けたものしか返って来ない』
というのが一つの真理のように思います。
ちなみに、日本の審査官は、欧州審査官の半分以下の人数で倍以上の審査をこなしており、
審査の質も世界トップクラスです。
弁理士も同様です。
このことからも、日本人の出力は世界的に観てもトップクラスのように思います。
一方、効率の良さでいうと、少しドイツに軍配が上がるかと思います。
理由の一つとして、
ドイツ人は、
先に自身の裁量で決定する→決定事項をもとに議論する
日本人は、
先に皆で議論する→議論を通じて決定する
というワークフローの相違が挙げられます。(と、仕事のできるドイツ人が言っていました)
今日初めて上司から、『君は日本風の過重労働の影響を未だに患っている』
というお言葉を頂戴しましたが(いえいえ、一つ一つのことを顧客に耳を傾けて処理すると本当に忙しいんですよ、と思わず返したくなりましたが)、
田舎のハンドボール部で軍隊方式のもとで叩き込まれた『先輩より早く来て、先輩の後に帰る』
という昭和根性が、両端をボスに囲まれている私の中に未だに色濃く根付いているように思います。
「先に自身の裁量で決定する→決定事項をもとに議論する」
は、是非とも今後実行していきたい事項なので、
怒られない範囲で色々と決定なり、自身なりの意見を投げつけて、
それに対して同意を要求する、という方向で働いてみたいと思います。
会食で久々に上司とゆっくりと話す時間があった夜、そんなことを考えさせられた一日でした。