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弁理士葉隠れ道~欧州・ドイツ篇~

日本と欧州との懸け橋となるべく、慣れない欧州で七転び八起きしながらも欧州のローファーム(特許法律事務所)で何とか励む日本弁理士の日記です。欧州の現状の紹介や、海外での勤務を夢見る方々の参考になれば幸いです。 <免責事項>本ブログは、管理人である私一個人の見解を記載したものであり、内容について管理人の勤務先が責任を負うものではありません。また本ブログの内容は無保証です。ご利用は自己責任でお願いします。ご理解のほどお願いします。 ご意見等はこちらまでお気軽にどうぞ。minmin70707アットマークyahoo

ドイツでの教訓

日本を出て、海外に長期滞在し、長期に働くという貴重な経験を通じて得ることができたのは、視野の広がり、気付き、繋がりです。早くも海外生活も三年に近づいてきたので、この間に気付いたことを振り返ってみたいと思います。

 

・8対2の選択。すなわち、8割の確率で2の利益が得られる選択と2割の確率で8の利益が得られる選択を迫られたときにいずれを選択すべきか。自身の行動指針さえ定まっていればぶれない。人生は選択の連続。選ぶこととは他を捨てること

 

・弱点の補強をするのではなく、自分特有の強みで勝負する。強みで勝負できず、弱点の補強の方が大事な環境は要注意。。

 

・海外に居る日本弁理士というポジションは大変貴重な機会。日本の知財部の方、事務所所長の方、現地に日本を代表していらした方と『第三セクター』としてお逢いできる(これが一番ドイツに来て良かったことの一つです)

 

・第一人者にならなければ差別化しても意味がない。敷かれたレールを歩いてもダメ。市場、国、職場、全てに共通する事項

 

・社内でのエネルギーを社外へのエネルギーへ

 

・完全な組織は存在しない。必ずどこかに軋轢が存在する

 

・国によって評価項目が異なる;欧州は階級社会を根幹とする資格・学位社会

 

・20%の原則。経営上、主要顧客の収益率は20%まで。主要顧客の国別比率は20%まで。20%を超えると、交渉力、安定した経営力を失う

 

・窓口がニーズの一番近くに居るが、ニーズを実行する力がなければあまり意味がない(が、そのニーズは出番が来るまで大事に温めておくべし)

 

・正しい野心をもつ

 

・正しいことをしたければ偉くなれ(ワクさん)

 

・欧州での仕事が向く人は、環境適応能力が高く、かつ主体的に動いて自分で仕事を創り出す人。ここでの仕事を創り出すとは、内部での仕事(新しい価値の提供)と外部での仕事(新規開拓)を創り出す。⇒勤務初日は、所内外との信頼関係の構築に努めることは勿論、『さて、何をすればいいですか?、私の案件はどこですか?』ではなく、『Aと、Bと、Cとを計画しており、それぞれ、PA,PB,PCというメリットがあるので実行させてください』と言えるくらいが素晴らしいです。ふられた仕事がない暇なときほど、新しい仕事を創り出すチャンスです。(とはいえ自身を振り返ると、現在は、積極的に動きすぎてトラブルが起きたり、慣れない海外での転職で色々疲れて所内での信頼関係の構築や実績の報告等、かなり怠っているのが現状です。。)。

 

・明細書作成業務はその後、日本、海外での権利化の原書となり、他社特許を世界中で潰す引用文献となり、交渉の駒となるもの。もっと評価されるべき。

 

・日本の特許事務所での人材不足と次世代問題

 

・移動距離はアイデアに比例する;日本からドイツへの移動

 

・忙しいとミスが多量発生、アイデアの創出作業もストップ

 

・あれもこれも全部では効率も質も低下して消化不良に陥る。各工程の役割と責任を明確にしつつ、それらを管理する

 

・特許の役割は国によって相違する

 ⇒日本では技術力のパラメータ・外国出願の基礎出願。役割に応じた明細書づくりが重要

 

・言語は短期集中と勉強。現地にいるだけでは一ミリたりとも現地語は上達しない

 

・内部政治は内部政治による効果があるから起きてしまう。クライアントへの貢献、事務所への貢献を客観的かつ公正、厳正に評価できる仕組みが必要

 

・転職によって解決できる問題・解決できない問題と、新たに勃発する問題もあるので、転職前にある緯度把握・予測し客観評価しておく

 

・日本で働く外国弁理士は、内外案件(日本⇒海外の出願)が多いので自分の土俵で勝負できるが、海外で働く日本弁理士は外内案件(海外⇒日本の出願)が少なく内外案件(日本⇒海外の出願)が多いことから、基本的に相手の土俵で勝負することとなる。つまり、相手国の言語と法制度・実務を学ぶことが重要。中国・韓国系はほんのすこし増えてきていますが、確かに、日本語や日本弁理士の勉強をしているアメリカ人やドイツ人に日本でお会いしたことがありません

 

・ドイツに居るとドイツでのみ知り合える人脈もあり、海外に居るからこそ分かる日本の良さも或る。一方、日本に居ないことによる機会損失も大きい

 

・日本を拠点に日本企業の海外進出を手伝うのか、海外の一国に身をおいて日本企業の当該国への進出と当該国企業の日本進出を手伝うのか。海外で働く際はいずれをやりたいのか明確にしておく

 

・日本弁理士として大成した人は、米国に残り続けた場合よりも、2~3年の米国経験とそこで得たコネクション・見解を武器に日本で独自路線を開拓した先生に多い

 

・日本の弁理士は厳しいといわれるが、急成長している事務所と年々厳しくありつつ事務所の二極化が進んでいる。急成長している事務所は、基本的に価格競争はしていない

 

・国の安定した成長には、纏まりと治安・政治面での安定が不可欠

 

・自然災害と人的災害。自然災害は地域特性に基づく予測可能性が高いが、人的災害は予測可能性の裏を突かれるので回避が難しい

 

・日本で買った商品、サービスはローカライズすれば普通に世界で通用する

 

・やっぱり、外から観た日本も素晴らしい!

 治安、食生活、交通網、インフラ(安定したネット、いつも動くエスカレーター)等

 

 

 

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minmin70707@yahoo.co.jp