競争と共創
【競争】とは、
競う、争うと書き、文字通り、競合他社等が同じパイを巡って争うことを意味します。
【共創】とは、
市場、提供する商品やサービスなどを、クライアントや他企業と“共に創る”仕組みを意味します。
欧州、ドイツの特許業界は日本以上に、競合他社の動向に敏感で、情報収集や競合調査に熱心、過敏です。
知人から聞いた話では、転職して事務所が変わっても前の事務所からの監視が続き、FBや個人のホームページ等で下手な情報を発信すると前所から警告が届くということは頻繁にあるようです。CIA並みの情報管理力です。
また、配偶者が特許事務所で働いている場合、情報管理上、特許事務所で働くことが難しいです。
本題ですが、
日本から欧州の特許出願は減少傾向にあります。高い、遅い、厳しいが一番のネックです。
一方、ドイツの特許出願は増加傾向にあります。尤もな出願戦略です。
治安も経済も不安定ではありますが、
欧州は今なお、世界の三分の一のGDPを占める世界有数のマーケットです。
知財での『未知なる巨人』といわれるだけあって、まだまだ大きな可能性を秘めています。
『この世界有数のマーケットでの経済、知的財産の動向を要チェックし、
参入可能な魅力的なポイントを見つけたり、コンサルティングすることで、
欧州市場のマーケットを大きくする』
ことは、国際企業に標準化を取られて、他国の技術が国際標準として日本に押し寄せてくることを抑制し、日本企業の欧州進出の可能性を広げる上でも、極めて重要な役割です。
私としては、欧州で働く弁理士、日本弁理士等が競争ではなく
共創することによって、この魅力的な市場の可能性を広げることは極めて重要であり、
日本を背負って働く弁理士として、国益に繋げられるようにも思います。
また、競争以外にも、完全に差別化した他者を圧倒するサービスを提供することで、
クライアントにとっても待ちかねたサービスを提供することができ、
競合他社とも共存できます。
競合他所の動向や個人ブログやFB等を監視する労力のベクトルを、
共創や差別化といった開拓エネルギーへのベクトルに向けることの方が生産性が高く、
自分もクライアントも競合他所もハッピーになれる道であると思う日々です。
ライバル店にお客として紛れて時間をかけて調査しまくる代わりに、そんな時間もないくらいに、自身の味の拘りの研究やお客様の声を聴くことに毎晩勤しんで、
『うちの味噌ラーメンは世界一美味しいけど、しょうゆラーメンはあんまり得意じゃないんですよね。でも、しょうゆラーメンなら向かいのお店がおいしいですよ。』
と、しょうゆラーメンを食べたい人には向かいのラーメン屋さんをクライアントに勧められるような、洗練された世界一の味噌ラーメンを提供できる、太っ腹なラーメン屋さんにようになりたいです。