11.創造性が作る21世紀
<創造性が作る21世紀>
私は、防衛省、東京の国際特許事務所、ドイツで特許法律事務所と三つの組織を経験しました。
今が一番、企画等も積極的に行い、ノルマを課されずとも良質共にそれなりの仕事をこなしていると思います。管理するのではなく、個々の自主性を促し、結果として本人の能力を最大限に引き出す経営原理には見習うところが多いです。
インタ-ネット会社のgoogle(登録商標)には、与えられた予算と業務時間の20%を、自由に使って良いというシステムがあります。gmail等のgoogleの主要サ-ビスや主要商品の50%以上が、この20%の中から作られていることもこの事実を物語っています。
<おもてなしの心>
現在の仕事には国を跨いだ仕事も多いですが、国を跨ぐとなると時間も異なってきます。
ドイツ時間は日本時間マイナス8時間(サマ-タイム中は7時間)、朝8時に出勤しても日本では既に16時です。
なるべく日本のクライアントと当日中にコンタクトを取れるように出勤後、まずは日本から送られてきたメ-ルをチェックします。そして、お問い合わせ内容に応じて、自分で調べたり、最適なドイツ弁理士やドイツ弁護士とのメールや議論を通じてお問い合わせ内容に対する回答を完全に理解した後、日本へのお返事を書きます。
通常は、日本のクライアントに対してはメ-ルやFAXで回答することが多いのですが、文面には送り主の感情、正確、相手への配慮等、驚くほど現れます。
また、当所では至るところに自身を成長させる機会が溢れています。
このため、以下の5点を常日頃心掛けています。
(1)メール等を受け取った側が再度の質問をしなくてもいいように、国と時間とを跨いだキャッチボールを一つでも減らし、仕事が一日も早く確実に回るようにすること、
(2)日本のクライアントの就業時間中に回答が間に合わない場合でも、先方が日本で翌日朝一で確認できるように、メール等を受け取ったら可能な限り当日中に回答すること、
(3)時差の都合上、朝一で一日が始まるときや夜遅くの疲れているときに開封されるであろうミュンヘンから届いたメ-ルを読まれる日本のクライアントが、私のメ-ルの内容から冷たい印象や不親切な印象を受けないように、むしろ、その後、気持ちよくお仕事できるように気を配った日本語を使うこと、
(4)返答に際して協力してくれる経理、特許や意匠出願、訴訟、各担当者が気持ちよく働けれるように、拙い英語での質問に時間を割いて丁寧に回答してくれることに感謝すること、
(5)所内にCc.で送信されてくるメ-ルや弁理士及び弁護士との議論等、至るところに存在するドイツや欧州の法制度や実務、英語やドイツ語を学ぶ機会から、スポンジの如く知識を吸収し、いつでも発信できるように情報の引き出しを整理しておくこと、
このように、私のお仕事はコ-ディネ-タ的な役割も大きいです。
コ-ディネ-タとしての本質は、
『個々の能力を最大限引き出しつつ、気持ち良く働いて貰う』
に尽きます。
どれだけドイツに馴染み、ドイツ語や英語が堪能になり、現地に溶け込んだとしても、
『日本人のお持て成しの心』や『日本人ならではの心配り』を大事にしたいと思います。
こうしたお持て成しの心が異国ミュンヘンから日本に伝わると嬉しいです。