欧州特許庁への新規性、進歩性違反に対する応答案についてのおさらい 其の壱。
キーワードは、“シンプル”かつ“明確”に。
(1)新規性
・引用文献と相違する構成要素についてのみ言及。本願発明と共通する構成要素についての言及は不要。表現方法は本願と引用文献との間で相違があるので、本願クレームもしくは補正後の本願クレームの文言を使って対比します。
(2)進歩性
・distinguished feature に絞って言及
・審査官は本願クレームに注視するので、明細書内での解釈等には触れない。逆に、明細書内での解釈を引用する必要があるのであれば、その文言がクレーム内に取り込む必要があるということ。
・本願効果を引用する際は根拠となる段落を記載
(3)クレーム補正
新規性の主張で明確となった引用文献との相違点をプレアンブル(おいて書き部分)以下に、
共通点はプレアンブル(おいて書き部分)に記載。
審査官が補正案を提案した場合でも、それを丸写しするのではなく、プレアンブル前後の構成要素の羅列は整理する。
日本実務では、なるべく補正を行わず、
論理付けの困難性をあれよこれよと主張することで特許査定になった成功体験も多いので、
ついその癖であれよこれよと反論要素を書いてしまいますが、
欧州特許庁に対しては審査官の判断要素となり得ないことを事細かく書いても読まれないので、
余計なことは書きません。
最小労力・最小費用で最大の効果が得られる応答案を目指します。