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弁理士葉隠れ道~欧州・ドイツ篇~

日本と欧州との懸け橋となるべく、慣れない欧州で七転び八起きしながらも欧州のローファーム(特許法律事務所)で何とか励む日本弁理士の日記です。欧州の現状の紹介や、海外での勤務を夢見る方々の参考になれば幸いです。 <免責事項>本ブログは、管理人である私一個人の見解を記載したものであり、内容について管理人の勤務先が責任を負うものではありません。また本ブログの内容は無保証です。ご利用は自己責任でお願いします。ご理解のほどお願いします。 ご意見等はこちらまでお気軽にどうぞ。minmin70707アットマークyahoo

12.パイロットは一人では飛べない

  ロンドン行の飛行機。2013年10月5日。
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『パイロットは一人では飛べない 』

或るパイロットが言った有名な言葉です。

空港で気象観測の仕事をしていたので、この言葉の意味が非常に良く分かります。

確かに、パイロットが操縦稈を握り、飛行機の針路、命運が全てパイロットに委ねられる瞬間があります。それが故に、自他共に飛行機はパイロット一人によって飛ばされていると錯覚しがちです。

しかし、整備員、交通整理、航空管制官、気象観測、本当に色々な人の『役割』があって初めて飛行機は空に飛び立てるのであって、整備員のネジ一つの緩みが航空機の命運を左右するのもまた事実です。目に見えにくいだけで、それぞれが『飛行機を空に飛びたたせ、無事に目的地に到着させる』という一つの目的を達成するための『役』が『割』り当てられています。

最近、日本国弁理士として欧州で働いていると、或る意味欧州での前線の一躍を担っているので、同じことを感じます。欧州という華やかなイメージと海外生活、日本では経験できない欧州での特許業務等が先行し、羨ましいと思ってくださる人がいらっしゃり、その度に

『パイロットは一人では飛べない。』

という言葉を思い出します。

私が欧州で日本の名前を背負って働けるのは、

まさに背景に日本の経済力、技術力があるから、

そして、それを日本で必死に支える人たちがいるから。

発明者、弁理士、町工場の経営者、企業人、

それぞれの持ち場で皆が日本での役割を担っているからこそ、

そして今の日本を維持してくださっているからこそ、

私は安心して欧州での業務に専念でき、日本の技術力に支えられて欧州での舞台を維持することができます。

高校時代の盟友が、

『俺は生まれ育ったこの町が好きだから、この町を守るために働きたい。』

『この町は俺が守るから、お前は安心して世界に羽ばたいてこい。』

そういって彼は宣言通り、消防士になり、救命士になり、地元の住民のために日々命を張って働いています。私が欧州での業務に専念できるのも、安心して地元そして日本を離れ、欧州にいられるのも、彼と同じように、自身の持ち場で、それぞれの役割を全うしている人がいるからこそ、です。

どんな些細な仕事も、人から卑下されるような仕事も、

それぞれに役割があり、上も下もなく、

どれもが誇るべき仕事であるということ。

そして、私もまたその中の一つの役割を果たすために、

欧州に骨を埋める覚悟で、何処までも日本人として在らねばならないということ。

欧州での操縦稈を握る今の役割が何かを忘れずに、今後も初心を大事に励みたいと思います。

宮崎でそれぞれの役割を担う皆様の一人一人の力が宮崎を支え、日本を支え、

宮崎や日本という一つの飛行機を飛ばしていることを心に止めておいて欲しいと思います。

美点凝視 美点凝視とは、文字通り、 相手の欠点ではなく、美点に注目し、それを評価するという意味です。
私を囲っていた方が、 私の埋もれた美点を評価し、引き伸ばしてくださったからこそ今の私があります。
皆様には是非、自身の周りにいる知人友人、同僚、子供、家族等の才能に注視し、 それを育てて上げて欲しいと思います。

これは人に対してだけではなく、

組織や故郷、国に対しても同じことが言えます。

日本程、自国批判する国も珍しいと、海外生活を通じて実感します。私も、地元に帰って『給料が安い』と友人の話を聞く度に、同じ思いをします。

宮崎の平均年収は東京の2分の一ですが、

宮崎の土地の値段は東京の10分の一から100分の一です。

他にも、宮崎では、

・平屋に住んで、一人一台車を持って、

・豊富な温泉資源、新鮮な魚や地鶏、

・世界一と評され、多くの名門牛の種牛である宮崎牛、

・イタリアの品評会で世界一のワインと都農ワイン

・日南海岸一帯に広がる海、

・数多くの神話の里、

・親切な人々、挨拶をする生徒、

・1時間以上、身動きできない満員電車に乗って通勤することもなく、車や自転車で快適に通勤、

たとえ共働きをしたとしても、東京からすれば、夢の又夢のような生活です。

単に、平均年収という数値化された一つの指標だけに囚われてはいけません。

これらは数値化できる“豊かさ”ではないのです。

宮崎を離れ、日本を離れて気付きましたが、

私の知り得る限り、これほど多種多様な豊かさを持った地域は宮崎以外には知りません。帰省する度に、新しい発見と驚愕の連続です。

ちょっと皮肉な事実ですが、
“離れて痛感する本当の宮崎の美点、日本の美点”
これもまたしかりです。

『地球は青かった。』

地球を離れた人類が初めて気付いたことです。
昔から友人知人によく言っていたことですが、 目の前にある豊かさや幸せに気付かないことほど不幸なことはありません。
故郷宮崎、日本を離れたことで、そこに住んでいてはなかなか気づけないことに、彼の地、ケンブリッジ、ミュンヘンにて改めて知ることができました。
折角、宮崎、日本に住んでいる皆様には、

宮崎、日本に居ながらにしてその豊かさに気付いて欲しいと願っています。

美点凝視、相手だけではなく、

自分自身、そして自分たちが住んでいる場所、故郷にも実践してみてはいかがでしょうか。