読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

弁理士葉隠れ道~欧州・ドイツ篇~

日本と欧州との懸け橋となるべく、慣れない欧州で七転び八起きしながらも欧州のローファーム(特許法律事務所)で何とか励む日本弁理士の日記です。欧州の現状の紹介や、海外での勤務を夢見る方々の参考になれば幸いです。 <免責事項>本ブログは、管理人である私一個人の見解を記載したものであり、内容について管理人の勤務先が責任を負うものではありません。また本ブログの内容は無保証です。ご利用は自己責任でお願いします。ご理解のほどお願いします。 ご意見等はこちらまでお気軽にどうぞ。minmin70707アットマークyahoo

パイロットは一人では飛べない。

パイロットは一人では飛べない。

或るパイロットが言った有名な言葉です。

空港で気象観測の仕事をしていたので、この言葉の意味が非常に良く分かります。

確かに、パイロットが操縦稈を握り、飛行機の針路、命運が全てパイロットに委ねられる瞬間があります。それが故に、自他共に飛行機はパイロット一人によって飛ばされていると錯覚しがちです。

しかし、整備員、交通整理、航空管制官、気象観測、本当に色々な人の『役割』があって初めて飛行機は空に飛びたてるのであって、整備員のネジ一つの緩みが航空機の命運を左右するのもまた事実です。目に見えにくいだけで、それぞれが『飛行機を空に飛びたたせ、無事に目的地に到着させる』という一つの目的を達成するための『役』が『割』り当てられています。

最近、日本国弁理士として欧州で働いていると、或る意味欧州での前線の一躍を担っているので、同じことを感じます。欧州という華やかなイメージと海外生活、日本では経験できない欧州での特許業務等が先行し、羨ましいと思ってくださる人がいらっしゃり、その度に

『パイロットは一人では飛べない。』

という言葉を思い出します。

私が欧州で日本の名前を背負って働けるのは、

まさに背景に日本の経済力、技術力があるから、

そしてそれを日本で必死に支える人たちがいるから。

発明者、弁理士、町工場の経営者、企業人、

それぞれの持ち場で皆が日本での役割を担っているからこそ、

そして今の日本を維持してくださっているからこそ、

私は安心して欧州での業務に専念でき、日本の技術力に支えられて欧州での舞台を維持することができます。

故郷の幼馴染が、

『俺は生まれ育ったこの町が好きだから、この町を守るために働きたい。

そして、この町は俺が守るから、お前は安心して世界に羽ばたいてこい。』

そういって彼は宣言通り、消防士になり、救命士になり、地元の住民のために日々命を張って働いています。私が欧州での業務に専念できるのも、安心して地元そして日本を離れ、欧州にいられるのも、彼と同じように、自身の持ち場で、それぞれの役割を全うしている人がいるからこそ、です。

どんな些細な仕事も、人から卑下されるような仕事も、

それぞれに役割があり、上も下もなく、

どれもが誇るべき仕事であるということ。

そして、私もまたその中の一つの役割を果たすために、

欧州に骨を埋める覚悟で、何処までも日本人として在らねばならないということ。

欧州での操縦稈を握る今の役割が何かを忘れずに、

今後も初心を大事に励みたいと思います。