弁理士葉隠れ道~欧州・ドイツ篇~

日本と欧州との懸け橋となるべく、慣れない欧州で七転び八起きしながらも欧州のローファーム(特許法律事務所)で何とか励む日本弁理士の日記です。欧州の現状の紹介や、海外での勤務を夢見る方々の参考になれば幸いです。 <免責事項>本ブログは、管理人である私一個人の見解を記載したものであり、内容について管理人の勤務先が責任を負うものではありません。また本ブログの内容は無保証です。ご利用は自己責任でお願いします。ご理解のほどお願いします。 ご意見等はこちらまでお気軽にどうぞ。minmin70707アットマークyahoo

たそがれ日記

言葉が分からないということはどういうことか

今週は洗濯物が何故か、日本での雨の日の部屋干しの匂いがします(というか部屋干しですが、ドイツでは美的概観を維持する義務があり、基本的に部屋干しです)。 要は洗濯した衣類がクサいわけです。 いつにもまして大量の洗剤を使ったにもかかわらずです。 …

天皇の料理番と日本人

『天皇の料理番』は、“宮内省大膳職司厨長(料理長)を務めた秋山徳蔵氏の青年期から主厨長になるまでを描いた作品(ウィキペディアより一部抜粋)” 小学校の卒業のアルバムで『将来の夢は伝説の料理人になること』と書いて、 お蔭で中学校の入学時には“伝説…

知的財産権の国別の位置付けと、弁理士の役割

最近、日本では弁理士が“知財経営・知財戦略”、“技術経営(MOT)”、“特許会計・知財評価”といった多面的な場面で登場する機会が多くなり、 弁理士×中小企業診断士、弁理士×会計士・税理士といったダブルライセンスを目指す方も多いです。(私も日本に居た…

役に立っているかどうか ~天才マーケッターにお会いしてきました~

先日、或る恩師のご紹介で、数々のヒット商品を生み出した同分野では知る人ぞ知るという天才マーケッターにお会いしてきました。 前所で未経験の新規開拓を主に任されるようになって、興味が湧いてマーケティングに関する勉強もしていたのですが、 専業でマ…

ドイツでの教訓

日本を出て、海外に長期滞在し、長期に働くという貴重な経験を通じて得ることができたのは、視野の広がり、気付き、繋がりです。早くも海外生活も三年に近づいてきたので、この間に気付いたことを振り返ってみたいと思います。 ・8対2の選択。すなわち、8…

業務効率化とミスの相関について

最近、色々手を出したことと(自業自得ですが)、夜・早朝の会合、係争事案、休暇前処理等が重なって、 トータルの仕事量が処理能力を超えてしまっております。 疲労×多忙×緊急が重なると、経験上、ミスが発生するので、 気を付けていたのですが、それでもミ…

競争と共創

【競争】とは、 競う、争うと書き、文字通り、競合他社等が同じパイを巡って争うことを意味します。 【共創】とは、 市場、提供する商品やサービスなどを、クライアントや他企業と“共に創る”仕組みを意味します。 欧州、ドイツの特許業界は日本以上に、競合…

SEO:検索エンジン最適化

いつもご覧くださってありがとうございます。 元々は恩師、故郷の友人への一方的な手紙と、海外で将来働きたい方への情報発信というつもりではじめた当ブログですが、お蔭さまで最近、googleやyahoo等で検索すると上位に出てくるようで、 『もし…

欧州・ドイツの特許事務所での日本弁理士資格の評価と位置付け、と海外で働くということ

欧州は、各国によって相違はあるものの、 基本的に『階級社会』+『資格社会』+『学歴社会』 です。 『学歴社会』 学歴とは、学校ブランドというよりも、博士、修士、学士、他といった分類です。 メルケル首相もEPO長官も、現在では殆どのEPO審査官も…

働く人が幸せな組織作りとハンティング

欧州に来て実感したことの一つが、いずれの業界も、 優秀な人材を確保することに一生懸命なことです。 つまり、 ・既に優秀な人材が社内に居る場合には、裁量と本人の望む機会を与えることで、優秀な人材が居つきやすい環境を整え、 ・人手不足や新規事業立…

「競争しなくてもうまくいく方法」 マツダの例

headlines.yahoo.co.jp 引用『ウチは日本市場でも5~6%のシェアしかないけれども、その5~6%の人たちは、少なくともクルマに乗っているときは、みんな幸せな人生を歩んでくれると。それが徐々に広まっていって、7%になるか8%になるか。そんな増え方がい…

【守破離】

【守破離】とは能を確立した世阿弥の教えであり、柔道、剣道、茶道、華道、歌舞伎等において、修業における段階を示したものです。職人業である弁理士にも共通するものがあります。 『守』 徹底的に師匠を真似ることで学ぶ。学ぶとは、真似ることであり、正…

特許管理クラウドサービス ATMS PROPAS

www.fujitsu.com 特許管理クラウドサービス ATMS PROPAS(アトムス プロパス) : 富士通 - Fujitsu Japan 特許事務・人事等を極限まで自動化することで、 事務所の収益率は高まります。 また、これまで現地代理人に対する見栄え等もあり、オフィスのロケーシ…

単一効制度と統一特許裁判所について

来年にははじまる、はじまらないという議論を10年以上続けてきた、欧州圏内で一つの特許効を認める単一効制度ですが、ついに2017年には施行されそうな予感です。 また最近盛り上がってきてはいますが、 正直、欧州特許庁に対する特許出願は、オプトア…

ドイツに観る中小・中堅企業の ”脱” 垂直系列化

www.chosunonline.com 『ドイツの自動車部品メーカー、ボッシュは世界100社余りの完成車メーカーにブレーキシステムなどの主要部品を供給している。売上高の77%がドイツ以外のメーカーへの納品によるものだ。そのおかげで、ボッシュは自動車部品業界で不動…

海外勤務希望の弁理士(国際派弁理士)と今後について

お問い合わせの多いトピックですが、ドイツに至るまでの経緯を含めて以下ご参考まで。 (国際派弁理士について) まずは自身の経緯から。 私は弁理士試験勉強中、訴訟系か国際派の弁理士を目指していました。 訴訟系を辞めた理由は、国内の知財訴訟の減少を…

事実と希望的観測とを分別することの重要性

最近色々な人と話す機会がありますが、 私含め、事実と自分の意見・希望とがごちゃ混ぜるなることの危険性を痛感します。 事実に混ざって途中から、自分の意見・希望を話してしまうと 聴き手が自分の意見・希望を事実と誤認してしまって、 あとあと、『話が…

宮崎発地域ドラマ「宮崎のふたり」の制作発表

www.nhk.or.jp

新天地にて4か月経過 ~所感と課題~

早いもので新しい職場で約4か月が経過しました。 学ぶこともイベントも本当に色々ありすぎて全く処理が追いついていませんが、 あっという間に月日が経ちました。ドイツに初めてきた最初の4か月よりも仕事面では色々ありました。。 思えば、約一年前、今の…

外国語学習法

this-is-a-pen.hatenablog.jp ドイツに二年も住んでドイツ語がさっぱりな私が言うのもなんですが、 学校にも通わず、独学でハイレベルな日本語を身に付けられたデンマーク人の勉強法、参考になります。 そういえば、周りを見渡してもハイレベルな英語を話す…

違うからには理由がある

特許庁からの指摘事項に対応する中間処理業務、特に、新規性、進歩性違反に対する応答は、 『引用文献との間違い探し』です。 (間)違いを探すときに、本願発明と引用文献の相違点が見つけたら、 次に、なぜ違うのかを探しましょう。違うからには~の目的を…

優れた共通項の見つけ方

最近、頼まれてもいないのに毎晩いろんな企業研究、事務所研究をしています。 特に、ここ最近急激に成長しているところに注目し、そこから共通項を抽出し、成功要因を探っています。 ここで、例えばラフ集合論理に基づいて、 集合データから或るグループ(こ…

実務業務の効率化 ~成長軌跡を残すことの重要性~

今年からは、慣れない実務経験と未熟な英語力及び知識をもって、出願書類のチェックや中間処理と格闘する毎日です。 この二年間、経営戦略、マーケットリサーチ、渉外、新規開拓に専念してきただけに、弁理士としての実務的なスキルはまだまだ赤ちゃんレベル…

日本車もがんばっています

car-moby.jp 加速度ランキング。 スタートダッシュの動画は圧巻です。

防衛産業から知財産業への転身について

ドイツで働く日本弁理士はまだまだ少ないので、 「なぜまたドイツに」と聞かれることも多いのですが、それ以前のキャリアが特殊すぎるので、 「なぜまた防衛省に」⇒南極に行きたかったからです 「なぜまた防衛省から知財業界に」 と意味不明なキャリアのため…

やりたいことは結局【創作】ということ

最近、新しい弁理士像、知財ビジネスについて、毎晩深夜まで、休日問わず夢中になって考え、プレゼンを作ったりしています。 そもそもこうしたこと考えることが非常にクリエイティブで創作性の高いことであり、 新しいアイデア、いわゆるビジネスに関する発…

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ

実家から徒歩五分、同じミュンヘンでの仕事、奥様は妹の友人、と不思議なご縁を感じる方ですが、九州の”食”と”文化”とを欧州に普及しつつ、日本では欧州の食文化を紹介する親善大使として、まさに日本と欧州との懸け橋としてご活躍されている方のお言葉。営…

ポジショニングへの標とご縁

昔、ミュンヘンに来る前に他の特許事務所への転職を考えていた際、 応募するならと第一候補にしていた特許事務所の事務局長と、ふとしたご縁でミュンヘンでお逢いしたのですが、今後の進路を考えていた今日この頃、大変に勉強になるお言葉を頂戴しました。 3…

弁理士としての方向付と転換期

数Ⅱのベクトルは大の苦手でしたが、戦略という観点で“ベクトル”という言葉を使うのが好きな私でございます。 ドイツを目指した理由として、 ・明細書作成・中間対応業務として定型化しつつある日本弁理士の新しいベクトルを開拓する ・日本以外で世界の製造…

武士道とは、 死ぬことと見つけたり

「武士の心得として最も重要なものは何か?自分の成し遂げたいもののために、一分一秒、魂を賭してそれに向き合うこと」 「武士とは、嵐の真っ只中にあろうとも、ひとり立ちすくせる者でなければ価値がない」 「何の準備もなく突然の暴風雨に曝されたとして…